HOME  MT00_GB01.GIF - 603BYTES

L/Cメーターの製作 

L/Cメーター

ストロベリー・リナックスから発売されているポケットL/Cメーターキット(ver2)を作りました(製作期間:2008年8月30日、10月12日)

1.はじめに

高周波関係の製作をしていると、コンデンサやコイルの正確な値を知りたくなることがあります。特にコンデンサは容量偏差が大きいものもあるので、共振回路やフィルタに使う時には、実際の値を測定して使用したくなります。また自分でコイルを巻く場合には、是非とも必要な測定器です。最近のデジタルテスターにはだいたい容量計が付属していますが、安いディジタルテスターでは、μFクラスよりも小さな容量が測れないものがあります(私の持っている秋月電子通商のP-16も、容量は0.006μF以上が測定範囲です)。また簡易型の容量計やインダクタンス計のキットや自作例もよく見かけますが、高精度の基準コンデンサやコイルを複数用意して校正する必要があったりして、面倒くさそうです。そんな中で、ストロベリー・リナックスから発売されているL/Cメーターキットは、「調整箇所が無い」ということで、便利そうだと思っていました。

ところが1年ほど前に、ふと思い立って購入しようとしたところ、なんと「品切れ」になっているではないですか!しばらく入荷を待っていましたが、ついに「入荷したらメールを送ります」という告知まで出て、なかなか入荷しませんでした。

すっかり忘れていたところ、先日「お知らせメール」が届き、「ver2」になったとのこと。早速購入して作ってみました。

2.製作

このキットには回路図が付いていないので、プリント基板のシルク印刷と添付資料の写真と部品表だけを頼りに組み立てます。

TR5気をつけなければいけないのは、CREFとTR5の取り付けです。この二つの部品は、背が低くなるように(つまり足を短く)取り付けないと、LCDと干渉してしまいます。CREFについては説明書に注意書きがありますが、TR5は注意書きがありません。「トランジスタは熱に弱いので、足を長めにしておく」という昔からの原則を守って取り付けてしまったところ、LCDモジュールの基板からはみ出している金属のツメ(LCDを取り付けるためのツメ)がTR5にぶつかってしまいました。左の写真で、上の方に見える黒い金属がLCDのフレームですが、これを取り付けているツメを避けるために、TR5が手前にお辞儀しているのが分かると思います。これでようやくLCDが乗りました。このLCDのツメは結構大きいので、TR5は相当背を低く(足を短く)しないと干渉します(要注意!)。

実は私はCREFの注意書きも見落としてしまったため、こちらもLCDと干渉させてしまい、少し斜めにお辞儀をさせることになりました。

組み立て完了

そんなトラブルもありましたが、組み立て自体は簡単で、半日もかからずに出来上がりました。

3.測定

インダクタの測定キャリブレーションもゼロ調整も簡単に済みますので、早速いろいろと測定してみました。

周波数の表示の下2桁ぐらいは結構ふらふらと動くようですが、浮遊容量や部品の温度特性を考えると、こんなもんなのかもしれません。CやLの測定値自体は、(誤差範囲内では)安定しており、実用上は十分だと思います。

写真はジャンク箱から見つけ出した30μHのインダクタを測定しているところですが、表示どおりの測定値となりました。意外に精度が高い部品なのか、運が良かったのか?

入手できなかったver1との違いは分かりませんが、これでコンデンサの選別やコイル作りが非常に楽になりそうです。

 

4.ケース

(2008年10月13日更新)

裸のままでは不便なので、ケースに入れることにします。使用したケースは、タカチのYM-130です。本体(基板)と電池がちょうど納まる大きさです。

4.JPG - 11,237BYTES

ケースの上ふた部分に15mmのスペーサーを使って取り付けました。この高さでLCDがちょうど顔を出し、また測定切替用のトグルスイッチも、何とか操作できる高さだけケースから出ます。押しボタンスイッチはアクリルの延長棒を作って、瞬間接着剤で接着しました。

測定端子の部分をどう処理するかが工夫のしどころです。ワンタッチタイプのスピーカー端子を使って、被測定部品の着脱が簡単にできるようにしました。この部分の配線が長くなると測定誤差が増えますので、できるだけボードの測定端子に近い部分に配置します。ちょうどボードの測定端子の上の部分が空いていますので、ここにスピーカー端子がちょうど納まるようにしました。使用したワンタッチタイプのスピーカ端子は、秋葉原の鈴商で見つけた、プリント基板取り付け用のものですが、2.6mmのねじ穴もあるので、ここにセルフタップねじで3mmねじのタップを切って使いました。普通の赤と黒の端子ではなく、灰色と黒という珍しい色使いですが、今回のパネルにはマッチしています。プリント基板取り付け用の爪が付いていましたが、これは他の部品と干渉してしまったので、折り取ってしまいました。

5S.JPG - 6,969BYTES穴あけの寸法は、現物合わせで行いました。なかなか正確な寸法にはならず、よくよく見ると、隙間ができたり、切り口が露出したりしています。また、測定端子(スピーカー端子)の位置と干渉して、基板左下のねじは使うことができなくなってしまいました(3本のねじだけでケースにとめてありますが、操作時には左下にはあまり力がかからないはずなので、実用上は十分な強度になっていると思います、タブン)。

また、上の左右のねじは、LCDのサブ基板の角のところと干渉しましたので、LCDのサブ基板の角を二箇所、少し斜めにカットしました(写真参照)。

 

6.JPG - 15,588BYTES 7.JPG - 22,349BYTES
パネル上には各スイッチの名前などをプリントしたフィルムを貼り付けました(ぼろ隠しでもあります)。


ページ作成: 2008年8月31日
最終更新:  2008年10月13日

Home

 

inserted by FC2 system